「翔と仲良くしてやってくれ。アイツ、こんなんだろう?根は優しいのに、この口が災いしててな」
根は優しい……か。
イケスカナイけど、あたしが失恋した時、雨に打たれていたあたしに、傘を差し出してくれたのは翔だった。
本当は優しいヤツなのかも……。
「ふむふむ、本当、勿体ないですよね、翔先輩!」
「え?」
今度は何!?
今度は茶髪のポニーテールの女の子が、あたし達の席にやってくる。
歳は、あたしよりいくらか下に思えた。
先程、この席に案内してくれた店員さんだ。
「なんか楽しそうだったので、つい声かけちゃいましたよ!お客さん、ここの常連さんですよね!」
「えぇ、覚えてくれてたの?」
さっきも、あたしがミルクと砂糖を入れないのを覚えていて、注文をとってたわ。
「私、橋本 嶺(はしもと みね)っていいます!」
「あたしは桐谷 林檎、よろしくね」
なんというか、嶺ちゃんは明るくて元気な女の子だな。
あたしまでつられて笑顔になる。
「嶺は、うちのムードメーカーで、21歳なのに、よく気が利くんだ」
鈴木さんが嶺ちゃんの頭をガシガシと撫でる。
嶺ちゃんがここですごく可愛がられてるのが分かった。


