まぁ、忠犬のようで憎めないのだけれど。
それだけ、あたしの作品を大切に思ってくれているから。
「恋愛小説かよ」
「何か言いたそうね」
多分、あたしが失恋した事を思い出してるんだろう。
しょうがないじゃない、恋愛小説家だもの。
失恋したって甘々恋愛小説を書かなきゃなんないのよ。
「おい、翔何かあったのか?」
翔と睨み合ってると、翔の後ろからヌッと長身の男性が現れる。
「秋サン。知り合いが来てたもんで、すぐ戻る」
「お前は働きすぎなんだよ、知り合いがいるなら、休んだっていいんだぞ?」
秋さんと呼ばれた男性は、焦げ茶色のスウィングモヒカンショートヘアーに、右耳に銀のイヤーカフをつけている。
大人っぽくて優しそうな男性だ。
「初めまして、俺は鈴木 秋(すずき あき)、たった3歳差なんだが、翔の事は弟みたいに可愛いがってるんだ」
「は、初めまして……3歳差って、翔いくつなの?」
あたしは、鈴木さんから翔へと視線を移す。
すると、その視線に腕組みしていた翔が気づいた。
「あぁ、26」
「なんだ、近いのねあたしは27だから」
1歳しか変わらない。
あまりにも幼稚な争いをしていたから、もっと年下かと思ったのに。


