失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。



「ねぇ、後藤さん、あたしってどんな小説書くようなイメージ?」


ガラスウインドウから後藤さんへと視線を移す。すると、後藤さんは驚きと怯えが混じったような瞳であたしを見た。



「そ、そうですね……。先生は、クールビューティーな感じの見かけによらず、甘い恋愛を書くなぁ…とは、思います」


後藤さんのイメージは、クールビューティーなんだ?
って、あたしが甘い恋愛書くって、イメージ出来ないの!?


「失礼ね!」

「な、なんでですか~!先生が聞いてきたんしゃないですかぁ~!」


キッと睨むと、後藤さんは涙目であたしを見た。


例えるなら、そう……捨てられた子犬……大型犬ね。


ーガツンッ!

呆れていると、目の前に先程頼んだコーヒーがあたしの目の前に置かれる。


「な、何!?」


置かれるなんてもんじゃない。
落ちてきた、という表現が一番フィットする。


テーブルには少しコーヒーがこぼれており、恐ろしい事に今日のあたしの服は白いYシャツなのだ。