「本当は、あんたの本音が聞きたくて、秋サンに協力してもらったんだよ。本当に元カレといて幸せならって、考えたけど、やっぱ無理だったな」
翔はそう言って、愛しげにあたしの薬指に唇を寄せる。
いつか、あたしが翔にしたみたいに。
「結局、あんたに気づいてもらいたくて、ラテアートに林檎描いちまったし」
「ふふっ……あたしも、元カレに結婚してって言われた時に…」
「あ!?アンタ、そんな事言われたのかよ!?」
怖い顔して大声を上げる翔に、あたしは苦笑いを浮かべて、その唇に人差し指を当てる。
「聞いて?」
お願いすると、翔には少し顔を赤らめて、静かに頷いた。
「一瞬、翔の事を忘れる為に、結婚してもいいかもって思った」
「っ!!」
翔は何か言おうとしたけれど、あたしのお願いを思い出して口をつぐんで聞いてくれる。
「だけど……あなた以外と生きる未来を、想像出来なかった。あたし、翔じゃないと駄目みたい」
「俺も、もうずっと林檎以外の未来なんてねーよ。なぁ、俺達出会って数ヵ月しか経ってねーけど…」
翔は、あたしの左手を握ったまま、真っ直ぐあたしを見据える。その瞳を見つめ返した。


