「だから、アンタの入る余地はねーぞ。あぁでも、アンタに1つだけ感謝してー事がある」
翔は、英太を指差した。
「こんな魅力的な女、俺にくれてありがとな。返品は不可だから、以上!」
後ろから抱き締められてるせいで、翔がどんな顔しているのかが分からない。
だけど、それはもう腸が煮えきるくらいの不敵な笑みを浮かべているに違いない。
「くっ……ふざけんなよ!!こっちから願い下げだ!」
そう言って、走り去る英太の背中を見送る。
「さよなら英太、今までありがとう…」
あなたと会えたから、翔と会えた。
いつか、また……話せたらいいなと思うけど、しばらくは無理だ。
「いつまでも、元カレ見つめてんなよな」
クルッと体を回転させられ、あたしは翔と改めて向き合う。翔は、何故かカフェの制服を着ていた。
「あれ、今日は休みじゃないの?」
確か、鈴木さんはいないって………。
「奥に隠れてた、でもコーヒー飲んだ時、アンタちょっと不思議がってたな」
翔は可笑しそうに笑う。
「あなたのコーヒー、ラテアート、どれだけ飲んで、見てきたと思ってるの。隠れる気、無かったでしょう」
苦笑いを浮かべるあたしにの左手をとり、持ち上げる。


