なんでここにいるの?
この指輪は、どういう事??
聞きたいことはたくさんあるのに、驚きと胸がいっぱいで何も聞けない。
「どうして、じゃねーよ!!アンタ、今までどこ行ってたんだよ!!」
耳元で怒鳴られて、あたしは目を見開く。
「家に行っても留守、カフェにも来ねー、あげくの果てに、馬鹿な嘘つきやがって…」
怒っているのに、抱き締める腕は強くなっていく。
「心配しただろーがっ……」
「翔………っ」
翔の手も震えてる。
あたしは、その震える腕に手を添えた。
そして、ポロリと涙をこぼす。
「美紀と話した」
「っ!!」
翔……ちゃんと、美紀さんと話せたんだ。
なら、どうしてあたしに指輪なんて……。
「俺達を救ってくれてありがとな。でなきゃ、ずっと進めないままだった」
俺達……それが、裏切られた傷をもつ翔と、傷つけた負い目をもつ美紀さんの事だと気づく。
「世界で1番幸せにしたい奴が出来た。だから、アンタも幸せになれって言ってきたからな」
「あの……それって……」
「アンタしかいねーよ、馬鹿!俺は、桐谷 林檎を幸せにしてーんだ」
翔は……翔は、あたしを選んでくれた。
あぁ、やっとちゃんと……想いのベクトルが向き合った。


