失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。



「あなたより…好きな人が出来たの」


「そんなん、俺がすぐに忘れさせるし。俺たち、ずっと一緒だっただろう?」


……もう遅い。
もう、英太の事、運命だなんて思えない。


「きっとあたし達、あの日に別々の道を歩く運命だったのね」


そして、あたしは翔と出会う運命だった。


「な、何言ってんだよ……俺の事、好きだったんだろう?」

「あたし、もうっ……」


あたしはもう、英太の事は好きじゃない。


「悪いけど、今さらアンタには返さねーよ」


ーグイッ


突然、あたしの腕が後ろから引かれて、後ろから誰かに抱き締められる。


フワリと、コーヒーの匂いがした。


「俺の女だから、それに、結婚は俺がもう申し込んでんだよ」


あたしの左手を持ち上げて、シルバーのリングが左手の薬指にはめられる。


「な……んで……翔、どうしてここにいるのよ?」


あたしは、震える声でそう尋ねる。