次の日、あたしは美紀さんを12時にあの公園へと呼び出した。そして、翔とその公園へと向かう。


「オイ林檎、なんでこんなクソ暑いのに、公園なんだよ」


デートは公園で散歩、これが女の夢なの!そう言い張って無理矢理連れてくると翔は不服そうだがついてきてくれた。


優しいのよね、こういうところが……。


揺れる想いに、そっと蓋をする。
今は、しっかり翔の背中を押さなくちゃ……。


「ねぇ、翔……」


あたしは、公園の入り口で足を止める。そして、翔の前に真っ直ぐに立った。


「あなたに、話さなきゃいけない事があるの」

「あぁ?せめて、木陰で話せ。熱射病になんだろーが」


そう言ってあたしの手を引こうとする翔の手を、パチンッと振り払った。


「オイ、林檎どうし……」

「元カレと寄りを戻すわ…だから、あたしと別れて」


ーズキンッ


あぁ……。
胸が軋んだ、すごく、痛いのね…。

この痛みを、美紀さんも……。


「な…に言ってんだよ?」

「彼、あたしの気を引きたくて、別れようって言ったのよ。本当、どうしようもないわよね。でも、そんな所が……好きなの」


心にもない事なのに、よく思い付くな。
自分でも、尊敬する。