「転校生?この時期にか?」

そらそうだろ
入学3カ月目に転校してくる奴なんてそうそういない。

「風斗君達の追っかけじゃない?」

「風斗君はあんな子に興味持たないわよ」

などと訳の分からない話を広げる女子達。

「相変わらずスゲー人気だな風斗さん」

「それはそうと名前は?」

俺の目の前にいた奴が言った。

だから俺は答えた。

「篠原 伶」

「伶ちゃんか、可愛いね」

「ちゃん付けにすんなよ」と顔がひきつる。

「俺、坂咲 愁(さかさき しゅう)」

そう、さっきドアップにいたのはこいつ
茶色い髪をした坂咲 愁。

「伶ちゃん俺と付き合わない?」

と言って俺のカツラの下の方の毛を引っ張るかのように掴んだ瞬間。

「――――!!」

「――――!!」

「――――!!」

教室にいた全員の表情とともに
「え……?」と呟いた俺。

嘘だろ……

だって、さっきバスケやっていた時は平気だったのに

何故今外れるんだ!?

カツラがッ!?