アシスタント!!

「修正液!」


思わずした声に振り向く男3人。

「直見さ~ん!早く帰ってきてくださいよ」


玄関先で呆れて見ていると、2人のアシスタントが泣きそうになっている。


「すげえ、母さん!こんなところで働いてんの?」


映は感動し、両親も圧倒され言葉もない。


「来ましたね。苗木一家」


那住が立ち上がり、表情を緩める。


「休憩です」


アシスタント2人、胸を撫で下ろす。気を利かせて席を外すと、


隣の部屋に案内し、那住が淹れたコーヒーを運ぶ。


「はじめまして。那住と申します。ご覧の通り、一応、漫画家やらしてもろうてます。」


両親に頭を下げる。


「まあ、この前話した通りですが、そのつもりでいてください」


「あっさりしてますね」


映の言葉に、


「僕はこんなもんです。恥ずかしい台詞は言いません」


なあ、と直見を見る。


「こんな母ですが、よろしくお願いします」


映が正座し、頭を下げた。


直見が驚く。


いつの間にこんなことが言えるほど、大人になっていたのかと。


「よろしくお願いします」


両親も、あっとなり慌てて座り直す。


「こちらこそ」


那住が笑顔で頭を下げる。


「直見さんには、よくしてもらって、助かっとります」


「そんな、とんでもないです!!」


お世辞でも嬉しかった。


「母さん幸せそうだね」


映が嬉しそうに小突いてくる。