「とにかく!!仕事しますよ!?こっちだって生活かかってるんですから!」


カーテンを開けると辛うじて陽射しが入る。天気までどんよりだ。

「こんなところに来とる場合やなかでしょう。もう僕のことなんかほっといてくださいよ」


「ああ!!うっとおしい!!今月の原稿、落とす気ですか!?」


落とす、とは、載らない、ということで、休載扱いになる。

ただ、よほどの事情がない限り、そうそうできることではない。


「人の気も知らんと」


「つべこべ言わない!!」


さくさくと、描き掛のものを集め、片付け、掃除すると、


那住の前に、集めた紙をバン!!と叩きつけた。


「これがあなたのお仕事です!」


「もう!!もうよかとです!!いいけん、ほっといてください」


「お疲れさまです」


このタイミンクで巧が現れた。


「原稿引き取りに…って、あれ?」

手遅れだったようだ。


「……今回は休載にしてください。那住の体調が優れません」