“ヨウ君”に会えたのは
その一回きりだった。

あの後、小学校の帰り道に
何度もお屋敷の前を通ったが

綺麗なピアノの音が
聞こえてくることはなかった。


お母さんに聞いてみたら、

遠くに引っ越してしまったのだと
寂しそうにしていた。