窓から射す夕日の光が逆光になって ピアノの前に座っている 男の子の顔はよく見えなかった。 ただふざけたハミングをしながら、 本なのか楽譜なのか ここからでは分からないけれど 何かを読んでいる。 「…え~~~嘘ですよねっっ!! ここが華なのに~~!! 先生はやっぱり変わってるなぁ…」 とブツブツ何かを嘆いたり、 「強くするのはやっぱりココですよね! 先生とは気が合いますね!!」 と無邪気に笑ったり、 全然練習する気配がない。