私は女の人に言われた通り、
赤い絨毯が敷かれてある階段を
一段一段登って行った。
(一番奥の部屋だったよね‥‥)
長い廊下を誰かに見つからないかと
ヒヤヒヤしながら歩いた。
すると、奥の部屋で
楽しそうな笑い声が聞こえた。
扉に近寄って耳を澄ますと
『ヨウ君のお母さんが
帰ってきたみたいだから、
ちょっと挨拶をしてくるわね。
一緒にお母さんの所に行く?』
とお母さんの声が聞こえた。
『いえ大丈夫です!
僕はこの曲の練習してます。
先生はいってらっしゃいです!!』
男の子であろうと思う声が聞こえた。
(どうしよう‥‥!こっちに来る‥‥!)
慌てて 近くにあった
花瓶が置いてある机の後ろに隠れた。

