「お母さんの所に案内するわ
こっちよ!」
と手を引かれながら
門の反対側の裏手にある
小さな扉から中に入った。
お屋敷の中はまるでお城の中みたいで
高そうな花瓶や絵画、
キラキラ光ったシャンデリア
お姫様になった気分だった。
「奥様~!!どちらに
いらっしゃるのですか~!!
今日は大切なパーティがあるのですよ!
そろそろ準備をなさいませんと~!!」
可愛いメイドさんが
走り回っている姿が見えた。
「ちょっと忘れ物よ~、
すぐに向かうわ~。」
と返事をする女の人。
「あ、あの私、
帰った方がいいですか?
忙しそうだし‥‥」
「大丈夫よ、この階段を登って
一番奥の部屋が
ピアノが置いてある部屋なの」
「あ、あの…
お母さんもそこにいますか‥‥?」
「えっ?多分いると思うけど‥‥
どうしたのかしら?」
「お母さんに内緒で来ちゃったから
見つかるときっと怒られる‥‥。」
今更、後悔する私。
「そうなの‥‥。大丈夫、
私も内緒にしてるわ!
私はこれから大切な用事があるから、
すぐに行かなきゃいけないけれど、
ゆっくりして行きなさい。
帰る時は、また
あの扉から帰るといいわ。」
「‥‥ありがとうございます」
とお礼を言った。
うん、気をつけてね、と笑って
女の人はメイドさんのもとへ
行ってしまった。

