次の日も快晴だった




キィィイイ




大きな音とは裏腹に小さな扉




そして今日もいる、佐倉




「おはよ…昨日は、ごめん」




俺に会いに、来てくれたのか?




そう思うと自然と口が緩む




「大丈夫、気にしてない」




取り乱す理由が分かった以上




変に刺激するのはやめよう




そう誓ったのに




ぽすっ




そんな音と一緒に




お腹ら辺に違和感を感じる




「さ、くら……///」




佐倉が俺の胸に飛び込んできた




「好き」




「…………っ」




なに、この不意打ち




反則だろこれ




「最近、おかしいの」




「…………」




「藤崎くん見てると胸がギューってなって」




「……………」




「最初は颯がいるからって苦しかった」




「…………」




「颯と藤崎くんを重ねて見てる自分が嫌だった」




「……うん」




「でも藤崎くんに惹かれてる自分がもっと嫌だった!」




「…………」




「私には颯を見捨てることはできないのに、藤崎くんに乗り換えるだなんて…そんなの…っ」




「……………」




「無理、だから、お別れしてください」




「…………っ」




「わたっ…し………颯が好きだから、この気持ちは封印っ…しなきゃ」




ギュッ




「渡さねぇ」




「……きゃっ」




「俺がこの3週間、どれだけ頑張ってきたと思ってんだよ」




「…………えっ」




「俺は、ずっと佐倉が…好きだった」




「……………」




「昨日、立道から全部聞いた。」




最初はそりゃ戸惑った




いきなり双子とか、死んだとか




そんなんどこから突っ込めばいいのか。




でも、ちゃんと整理したから




俺のホントの両親は既に他界していて




一人ずつ、親戚の家にやられた




俺の育ての親はそのことをまだ伝えてなかったけど




昨日、俺から話したら全部教えてくれた




颯は、俺の事、知ってたんだな




「佐倉が今まで悲しんできた分、俺と幸せにならないか?」




「藤崎…くん」




「颯は俺の兄貴だ。俺とお前が幸せになれば、それは兄貴の本望じゃね?」




「………ふふっ」




それは、肯定?




「今から、キスするから」




「へっ?!」




「嫌だったら、逃げろよな」




「…………っ」




唇が重なるとき




どこか遠くで声が聞こえたような気がする




『あぁ、本望だよ___』




Fin.