桜が散り始めた5月、幼馴染の5人はそれぞれのキャンパスライフを送っていた。



涼太はW大学の薬学部に進学し、薬学や雑学を学びながら、翼が通うW大学のテニスサークルに出向き、試合に向けて練習をする日々を送っていた。


そんなある日のこと、またまたサークルの帰宅途中の電車に翼と一緒に乗車し、揺られていた所に目の前の座席に座って携帯をいじっている茜を見かけた。



「茜‼︎」



涼太が声をかけて、名前を呼ばれ顔を上げた茜は、目の前に2人がいてビックリしたのか口元に手をやった。



「えっ、サークル帰り?」


「あぁ、そうだよ」



このところ見かけなかった、たった2、3ヶ月の間でJ大学に通う女子の上品な感じに影響されたのか、茜の雰囲気がガラッと大人の女性へと変わっていた。