〜 1年後 〜



一面に広がる青いビーチの砂浜で、両手にビーチサンダルを持ち、素足で浜辺を歩きながら冷たい波が足首までかかる。



1人でゆっくり浜辺を歩く女性の後ろ姿を見て、男性が女性の名前を叫ぶ。



「友理奈‼︎」



名前を呼ばれ振り向くと、そこには涼太が立っていた。



「何?」



涼太は友理奈の元へ歩み寄り、話しかけた。



「朝起きたら隣のベッドに居なかったからさ、ビックリして探し回ったよ。てっきり逃げられたのかと思った」


「えっ私何度も起こしたけど、起きなかったから置いていっちゃった!あのね…ここまで来て逃げたりしないよ⁉︎ドラマの見過ぎじゃない?」



「相変わらず、ひでーな」



クスクス笑う友理奈は、涼太の腕を組んで浜辺を歩き出した。