「涼太、いつまで突っ立ってるんだよ⁉︎ほら行くぞ‼︎」



翼が涼太に向かって手招きをしながら叫んだ。



「翼が呼んでるよ、ほら…行ってあげて‼︎」



友理奈は涼太の背中を押した。振り返る涼太に手を振り見送った。



「行ってらっしゃい‼︎」


「おぅ‼︎」



涼太は翼と一緒にテニスコートへ戻って行き、後ろ姿を見届けた友理奈は「さっ、一度家に帰ろうかな」と呟いて一歩ずつ前へ進んで行った。


家に帰る最中、あまりの嬉しさに手を押さえてニヤニヤと笑ってしまう友理奈であった。