すべてが思い出になる前に






友理奈が去ったホームに残された涼太は、右手で口元を押さえた。


あの友理奈が抱き着いてきた時、物凄く可愛く見えたのは気のせいだろうか。


あのままだったら、理性を失いかけるところだった。




駅の改札口を出たところで、照史が車を停めて待っていた。


照史は涼太の表情を見て何となく状況を察したのだろうか。



「仲直りしたか?って聞くまでもなさそうだな」


「まぁ何とかな」



涼太は照史の車の助手席に乗り込んだ。



「家に帰るか?」


「いや、俺の実家に寄ってくれないか?」


「実家に⁇またまた何しに行くんだよ⁈」


「ちょっと荷物を取りに行きたくてさ」



荷物って何だよと呟きながら車を発進させる照史だった。