すべてが思い出になる前に






「ごめんごめん、お待たせ‼︎」



裏の倉庫から走ってレジへやって来た翼は、箱から靴を取り出し、確認をしてバーコードをスキャンした。



「もうすぐ涼太の誕生日だろ?きっと喜ぶと思うよ」


「そうだといいな」



包装された袋を手に、出口へ向かっていると翼が咄嗟に友理奈に声をかけた。



「あのさ、ちゃんと渡してやれよ」


「うん、必ず渡す」



友理奈は笑顔で答えて、スポーツショップを後にした。


友理奈の笑顔を見た翼は一安心して、「また遊びに来いよ」と笑って見送った。


翼は手を振っていた腕を下ろして店内に戻っていると、ズボンのポケットから携帯の着信が鳴っていた。