12月3日。


涼太はベッドから起きてすぐに部屋のカーテンを開けると、曇1つない青空が広がっていたが少し肌寒い。


何気ない朝の光景だが、いつもと何かが違った。


幼馴染、照史の結婚式が行われるからだ。



顔を洗った後に、鏡の前に立った。ハンガーにかけていた紺のストライプ柄のジャケットに同色のベストとズボンを身に纏い、ネクタイをキュッと締める。



一方、式場には一足先に照史と新婦が会場で準備を始めていた。


新婦が別室で白のウエディングドレスを着て母親と楽しそうに話している時に、シルバー系のタキシードを着た照史がガチャっと部屋のドアを開けた。



「香織、準備出来た?おっ、やっぱりそのドレスすごい似合ってるじゃん‼︎」


「ありがとう‼︎」



新郎新婦が微笑み合っている時、式場前で一呼吸してスタスタ歩いていく女性が1人いた。