ねえ、なんで私じゃダメなの?


すると隣から、
「なあ、この問題単語のならべ方どうすりゃいいの?」と言う声。
まあ、隣なんだから1人しかいない。河野だ。“見た目に似合わず声は優しいな。”と内心思いながら、私は「んー?」
と答え、河野の指す問題をみた。
私はそんなに頭がいいわけじゃないが……、よかった、これなら解けそう。
「これ?教科書の基本文から考えれば簡単だよー、」
「え、まじ?」
河野は教科書をみて
「マジだ」と、笑った。
私はその笑顔をみて…。ん?マスクしてて、表情見えん!
でも、なんとなく怖い人じゃないんだな。とわかった。

なんだか、…なんでだろう?嬉しいな………


って、

え、あわゎゎゎ、な⁉︎なんで、ぇ、嬉しいの?私嬉しいの?

本当になんでぇぇーー!

いきなり自分が思ったことに恥ずかしくなってきた……
カァァァ
自分でもわかるくらい顔が熱い
あー、もう、どうしよぅ

授業が頭に入らないまま、おわりの号令がかかった。