ー大和side

「葵さん、俺ー
〝葵さんのこと好きだよ〟」

本当は言うつもりなんてなかった。
葵さんが好きなのは兄貴の秋翔で、兄貴も葵さんが好きで・・・幸せそうな二人を見てたらそれだけで良かった。
なのに、葵さんは兄貴を思って今も泣いている。
なんで俺じゃダメなんだろう。

「俺じゃ、ダメですか」

そうつぶやいたこの声は君に届くはずもなく空に消えた。