屋上に着いて、そこでもあたしを囲むギャル系集団。


「アンタさー、ちょっとチョーシ乗ってるよね?」


いきなりすぎて意味がわからない。
てかやっぱり口調変わってるし。変わりすぎ。


「は?なんのこと?別にあたしあなたたちに迷惑とかかけてないんですけど。」


「亜貴くんよ!!!幼なじみか何か知らないけど、亜貴くんはみんなのものなんだからベタベタしないでちょうだい?」


「あーなんだ、そーゆーことか。てか、ベタベタしてないし。くっだんな。それだけならあたし戻るよ?」


教室に戻ろうとしたあたしの腕を掴んだのは、リーダー格の女の子。


「そーゆーのがチョーシのってるっつってんの」



いきなりグーで殴られる。


「ッ、ゲホッ…」


「ざまぁみろ、朱莉に逆らうとこうなるんだからね!覚えとけ!!」


「………」


思ったよりもダメージがひどかったあたしは、なにも言えない。


「キャハハ、こいつ朱莉の腹パンでくたばってんのー、だっさ!てか朱莉強っ!!」

「あたしのこと誰だと思ってんの。桜鬼(おうき)の姫よ?」


桜鬼とは、この辺りでけっこう有名な暴走族。

こんなヤツが姫とか桜鬼終わってるな…。