「ちょっと待てよ」
低い声が後ろから聞こえてきたと思ったら…
パシっ
んんっ?!
腕を掴まれてる……????
驚いてバッと後ろを振り向くと目を覚ました男の子が私の腕を掴んでいた。
ちょ……、私男の子に腕掴まれてる??
しかも知らない男の子に……っ?!
む、むりっ……!!!!
私は思わず腕をパシッと叩き、そのままダッシュで教室に戻ってきてしまった。
「はあはあ……」
運動不足の私の息はあがっていた。
…………カバン置いてきちゃった。
手を振り払った拍子に落としちゃったんだ。
でも今ダッシュで出ないと下校時刻に間に合わない。
なにより、もうあそこには戻りたくない…。
まあ、お財布もケータイもセーターのポッケに入ってることだけが救いだ。
バックの中はリップとか鏡とかティッシュくらいしか入っていない。

