「えっと、私なにかおもしろいことしました‥‥?」
「いやだって高校生にもなって自分の名前のキーホルダーカバンにつけるって‥ははっ‥」
そう言って笑いが止まらない様子の佐野真琴くん。
やっぱり男子はよくわかりません‥‥。
「え、だって、お母さんがつけとけって‥‥」
現にそのキーホルダーのおかげでカバンがこうして私の元へ戻ってきたわけだし‥‥。
笑われるようなことはないのでは⁈
「ふっ、ははっ、あー俺お前のことなんか気にいったわ。」
‥‥‥なんでそうなる⁈
私気に入られるようなことしました⁈
なんて強気に言えるはずもなく
「んっと、えっと‥‥よくわからないです‥」
弱々しい発言になってしまう。
「わかんなくていーよ。
俺、佐野真琴。お前の名前は?」
やっぱり彼は噂の佐野真琴くんってことは間違いないようだ。
「‥‥那智ひなたです」
私が小さい声でボソッていったそのとき
「おーい、お前ら席つけー。
HR始めるぞー」
担任の先生が教室に入ってきた。
こっちをチラチラみてたクラスの人たちは一斉に席につき始める。

