───ない。

ないないないない!

嘘だろ、勘弁してくれよ……




新年度のイベントもあらかた終わって、授業も始まった、

ある日の放課後。

俺は学校の図書館で探し物をしていた。

高2にもなってここに来たのは初めてだったけど、天井まである本棚に囲まれて、その本の多さにくらくらしそうだ。




「まじで見つかるのかな、これ」



900番台の書架をくまなく見て回る。探しているのは、海外の小説だ。

後先考えずに読みたい物を買ってたら絶対金欠になるので、なるべく図書館で借りている。

学校の友達には知られたくなかったから、中学の頃も地元の図書館へ通っていた。