ファンタジー・ボーイ




平石はちょっと戸惑って、人差し指で顔を少し掻くと、



「や、ほんとに明日一緒に来てくれるか心配になったから、さ。

……笑うなよ」



彼の答えた言葉に、曖昧な笑顔のまま強ばっていた私は思わず吹いていた。



「私だってちゃんと楽しみにしてるよ。

ちょっとくらいは信じて欲しいな」



「なら、良かった。

俺だけ勝手に舞い上がってたかと思ってたから」



「確かに」



「そこは否定しろよ」



恥ずかしいじゃんか、と平石が言ってきた。