それを聞いたジョンは何かを思い出そうと、ちょっと考え込みます。
カイリが黙ってそれを待っていると、
「そうだ、モジだ!」
「……モジ?」
聞いたことも無い言葉にカイリが聞き返すと、ジョンは身を乗り出すように話を続けます。
「おう、モジよ。
何か見ただけで、話したことが分かるっていうか……
ちくしょう、上手く言えねえな。
なんか俺達が話す言葉に対応するモジがあって、記号みたいなもんなんだと。
何かに残しておけば、後から見返せるって寸法だ」
カイリはジョンの言ったことを頭で繰り返すと、何か理解したのか、彼に尋ねました。
「じゃあ、喋る以外に意志疎通が出来るんだね!
え、えと、あ、モジで」
「ん、まぁそーいうこった」
と言ってジョンはまた別の話を始めます。
けれども、カイリの頭はもうモジのことで一杯でした───
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