すると大北は我に返ったように、ババッと俺から離れると、



「袋!明日返すね!」



と言って、先に教室へと戻っていった。

俺も慌てて彼女の後を追って、ホームルームが始まっている中、席へついた。






どうも大北の驚いた顔がチラついて、その日の練習は空回りばかりだった。