「……何でぺらぺらと話しちゃったんだか」 「ん?拓也どーかした?」 何でもないよ、と慌てて返して、また1人でちょっと考える。 授業の合間の休み時間、俺は誰と話すこともなく、ボーッとしていた。 そして何となく、大北たちの方を見ていた。 大北は石原(いしはら)と2人で話しているようだった。 この前図書館で本を借りてきてから1週間が経っていた。 読み終えた本が3冊、鞄の中に入っている。