「じゃあ、読み終わったのは来週返すな。 さんきゅ」 と言って、平石は持ってきた袋に本を入れると教室へ戻っていった。 袋まで用意して、抜かりない奴め。 彼が行った後の図書館は静かだった。 「あと10分……暇だー」 平石の言うとおり、昼休みは誰も来ないのだ。 今日の放課後もきっと暇に違いない。 「本とか読んでたらすぐなんだろうけど」 また1人で呟きながら、頬杖をついて残りの時間を持て余していた。