「小学生まではさ、周りに本読む子がいて、特に何も思わなかったんだけど。

中学ではあまりいなくて、珍しい目で見られてたんだよ」



まぁ、部活もしてたし、昼休みはちゃんと遊んでたから、めちゃくちゃ変な奴ではなかったよ?、と彼が笑う。



「うん」



私はカウンターの内側で座ったまま聞いていた。



「やー、すっげーベタなんだけど、俺にも好きな子がいてさ。

自分で言うのもあれだけど、クラスとかでは上手くやれてたし、普通だったのよ。

で、特に何も疑問を持たずにその子にコクって……」