「まぁ、でも返せそうな奴は来週返してね。

授業終わるまでに渡してくれれば、返却しとくよ」



水曜日は放課後も図書館にいるし、と私が付け加えた。

甘やかしている気もしなくは無いけど、いっか。



ピッピッとバーコードを読み取りながら、さらに平石に話しかける。



「でもさぁ、そこまで隠さなくても大丈夫だと思うんだけどな。

だって、ヤバい趣味ではなくない?

んー、ロリコンとかさ、そういうのじゃないじゃん」






例えとしてもロリコンはだめだろ、私。

自分の発言に恥ずかしくなって何となく視線が向けられない。



「うーん、中学生の時に言われてさ」



でも彼は特に気にした様子も無く、話を始めようとした。

でもその後の言葉が続いてこない。



作業を止めて、平石に顔を向けると、苦笑いを浮かべていた顔にぱちっと目があった。

そしてちょっと悩むかのように髪に手を当ててくしゃくしゃっとする。