カイリは急に足を止めると、手を動かします。
『ユアン、家に1人?』
ユアンは静かに頷きました。
そして、ちょっと笑って見せます。
心配ないよって言っているようでした。
カイリはそんなユアンを静かに見つめ、何も言わずに手を差し出しました。
ユアンは首を傾げながらも、何となくカイリと手を繋ぎます。
そのまま2人はまた、歩き始めます。
カイリは自分の家の前で足を止めました。
躊躇うことなく、家のドアを開けてユアンを中に入れました。
「あらー、遅かったわね。何し、」
カイリの母親が振り向くと、そこには困ったように笑うユアンが立っていました。