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───スエカリクの耳栓を見たら、その人達は手ぶり身ぶりで物事を伝えなければならないの。

聞こえないとしても、スエカリクに話しかけるのはタブーとされているのね。

スエカリク達の間では、特殊なコミュニケーションがあるらしいんだけど。

微妙な目の動きでアイコンタクトを取るんだって。



カイリとユアンは買い物を終えると、市場を出て家へと戻っていました。

2人はディズル領の中でも一番大きい街に住んでいました。

ディズル伯爵は城に仕える者に家族が出来ると、城中に囲うことはせず、近くに住居を貸していていたのです。

スエカリクは普通、城の中で住まわせるらしけど、ディズル伯爵は他の従者と同じ様にスエカリクにも住まいを提供していました。

だから、カイリ達の街ではスエカリクに対する偏見とかは無かったんだ。

普通の人と同じ様に、接していた。



カイリの父親も城に仕える鍛冶屋だったので、カイリとユアンの家は通りを挟んだ近所でした。

2人は幼なじみだったのです。