「あー、ねぇ適当に返事してるでしょ!
そこに凄い人がいるんだってば。
オリジナルストーリーを出してるんだけど……」
学校へ着いても彼女の話は止まることが無く、2人は会話を続けたまま、校門をくぐっていく。
そして、校門前のバス停に1台のバスが停まった。
次々と、この学校の生徒が降りてくる。
「はっ、はっ……
はーっくしょっん!!」
最後に降りた女子生徒が盛大なくしゃみをかましていた。
くしゃみに合わせて、ショートカットがぶるぶるっと揺れる。
「なあ、今日の昼休みミーティングだって!」
彼女の横にいた男子生徒に後ろから声がかかる。
振り向いた彼も言い寄ってきた男子生徒もサッカー部のバッグを肩にかけている。
「まじで?早弁しなきゃじゃん」
めんどくさーといいながら2人は足早に彼女を追い抜いていった。
「はっくちゅん!!
あ゛ー。やっぱ花粉症かなー。
早めに鼻づまり直したいけど、このままだと鼻声だなあ」
ぶつぶつと独り言を言いながら、校門を通る。
ほかの生徒に紛れながら、彼女もまた、自分の校舎へと消えていった。

