「読まないのに、どーやって図書委員すんだよ」



と思わず言ってしまった。



……俺は何聞いてんだ。

いくら何でも言い方が無神経過ぎるだろ。

大北はあまり気にした様子もなく、



「えー、出来るよ。

本は読まないけど、紙の匂いとか、背表紙とか、

そういうのは好きだから」



と返してくれた。



「ていうか、平石は何探してんのさ。

ほら、教えてよ」



……このまま無かったことにしようと思っていたのに。

プロフェッショナル・オブ・図書委員は見逃してくれないらしい。