「うぇっ、え、おおおお大北!?」
「……何で図書館で会ったくらいでそんなに動揺してるの?」
落ち着け!俺!
クラスメートの大北に会ったくらいで動揺してどうする。
見つけたくてもバレちゃうだろーが!
「大丈夫か、平石」
大北が訝しそうに顔を傾けると、ショートカットの髪が一緒にパサッと揺れた。
「いや別に?落ち着いてるけど?
つーか、探してるのだってすぐ見つかるし?
ほら、大北もこんなとこで油売ってないで、どっか行きなよ」
いいぞ、そのままピラピラ手を振って!
そう、これなら大北にだって怪しまれ……
「あ、何、本探してたの?
やだなー、早く言いなよ。そしたら一緒に探すのに」
ふつーにバレた。

