無くしたもの

アッシュ『なんで泣いてんだよ。』

『ブランカ…か、そっか。そうなんだね。』

アッシュ『?由梨…お前、ブランカを知ってんのか。』

『…やっと繋がった。ディノとアッシュとセルゲイが。』

アッシュ『おい、由梨……』

アッシュは私と同じようにしゃがんで、私の肩を掴む。

『アッシュ………私あんたに話さないといけないことがある。』

私は流れる涙を拭って、アッシュを見つめる。

『ずっと黙っててごめん。私には復習したい相手が、殺したい相手がいるって言ったよね。』

アッシュ『……ディノ……だろ?』

私はその言葉にゆっくり首を横に振る。

アッシュ『……じゃあ、一体……』

『セルゲイ ヴァルシコフ。……今はブランカって名乗ってるみたいだけど。』

アッシュ『!!?』

アッシュの私を掴む肩に力が入ったのがわかった。

『私はあの人に復讐する。』

アッシュ『っ、無理だ!とても歯が立つ相手じゃない!』

『無理かどうかはどうでもいいの。やらなくちゃ、』

アッシュ『っ!』

『現に英二を狙ってきてる。……アッシュ……どこに呼び出されてるの?』

私がそういうとアッシュはぐっと息を詰めた。

アッシュ『明日の9時に、8番埠頭の12番倉庫だ。』

『…わかった。』

アッシュ『、連れては行けない。』

『いいよ、勝手に行くから。』