無くしたもの

『……この銃弾……』

私は先程襲われた部屋に戻り、弾痕に残った銃弾を見つめていた。

『どうして、あの人が英二を?アッシュとなんの関わりがあるの。』

私は銃弾を握りしめ、項垂れる。

『セルゲイ……。』

ーガチャ

アッシュ『何してる、』

『アッシュ……あんたこれが誰の仕業かわかってるよね?』

アッシュ『!……あぁ。さっき電話が入った。』

『誰なの。』

アッシュ『ディノのそばにいた時の俺の師匠だ。全部そいつに教わった。』

私はアッシュから目を逸らさなかった。

それはアッシュも同じだった。

アッシュ『名前はブランカ。』

その名前を聞いて、私の目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。