無くしたもの

ケイン『って感じで、アッシュはここ一体を仕切るボスになったって訳。』

一部始終を聞いた英二は 打って変わって険しい顔になっていた。

英二『由梨もゴルツィネに復讐したいの?』

『んー、1番はちょっと違うけど、大体は、』

私は話の間に作ったポタージュをクルクル回しながら、曖昧に返事した。

英二『由梨ってそんなに強いんだ。』

『んーまぁ、そーう、なのかな?』

熱々のポタージュは私の身体にじっくりと染み渡る。

英二『誰に教わったの?』

英二がその質問を投げかけた時、空気が止まった。

私は目を上げて周りを見る。

アレックスとコング、ボーンズ、ケインまでもが私を見ている。

『……え、何この空気』

ボーンズ『だってそれ1番今まで気になってたからさ!!』

『言ってなかった?』

私がそう言うと全員首を縦に激しく振る。

英二は変わらずキラキラした顔で私を見る。

『私の義理のお兄さん。』

英二『由梨お兄さんがいたのか!?』

『お姉ちゃんの旦那さんね。











で、私が1番殺したい人。』