無くしたもの

『で?…言いたいことは?』

アッシュ『クッソ!!!!』

何分戦ったか分からないが、私はアッシュの腕を後ろにひねり、地面に押し付け動けないようにした。

ケイン『アッシュといったか、お前由梨相手によくやったよ。こんなに時間かかったの久しぶりだぜ?』

『全くよ。若いって怖い。』

私の息も幾ばくか上がっている。

久しぶりに疲れた。

アッシュ『テメーなんでそんな強えんだよ!』

『さぁね。とにかく、3区は私のモノよ。山猫坊やにはやれないなぁ?』

私はそう言いながら、押さえつけていた腕を離す。

アッシュ『イッテェ……。』

ケイン『由梨の拘束いてえよな。わかる。』

『で?なんであんたそんなにここら一体を自分のものにしたい訳?』

アッシュ『復讐したいやつがいんだよ。』

アッシュはそう言いながら俯いて拳を握りしめた。

『金髪碧眼。か。 ……その復讐したい相手が、もし ディノゴルツィネって言うんなら、手を貸してあげなくもないよ?』

私がそう言うと、アッシュはばっと顔を上げた。

アッシュ『なんで……。』

『あんたなら、できそうだよ。……仕方ない。3区のボスの座あんたに譲る。』