無くしたもの

『!!!!!!』

目が覚めると、そこはどこかの一室だった。

首の後ろが痛い。

アッシュはどうなったのだろうか、

ブランカ『目が覚めたかい?』

『セルゲイ……』

ブランカ『今はブランカだと言っただろう?』

セルゲイ……もといブランカはそう言ってコーヒーの入ったコップをテーブルに置いた。

『…アッシュはどうしたの。』

ブランカ『ちょっと手合わせをした後、別れたさ。』

『帰して、』

ブランカ『できない』

『どうして!!?』

ブランカ『アッシュはディノを敵に回している。それにあいつにお前を守る力はない。』

『私守ってもらおうなんて思ってない!!ディノを殺したいのは私も一緒よ!!あんたのせいでしょ!!?』

私がそう言うと、ブランカは悲しそうな顔をする。

ブランカ『ユーリ…俺は』

『あんたが、お姉ちゃんが殺されて暗殺業をするようになってから、私はディノに使われるようになったんだよ。』

ブランカ『だから今はお前を守ろうと!!』

『今更だよ!!あんたといても私は幸せじゃないの!!』

私がそう言うと、ブランカは私の方を激しくつかんだ。

ブランカ『お前を死なせるわけにはいかない!それがナタリアとの約束なんだ!!』

『お姉ちゃんは私の幸せを願ってるはずだよ。』

ブランカ『アッシュといた方がお前のためだと言うのか、見ただろうあいつは死ぬのを厭わない。あの場で本当に銃弾が入っていたら、やつは死んでいた。その後のお前のことなんて考えてなかったんだぞ』

ブランカはいつも落ち着いているはずなのに、とても興奮していた。

でもその理由がわかる。

『あんたはアッシュと私を通して、誰を見てるの?』

その言葉にブランカは目を見開く。

『お姉ちゃんは死んだんだよ。あんたと結婚することは危険だったはずなのに、私を残してしまうことより、あんたを選んだ。……そういうの慣れてるの。アッシュも一緒、あんたとお姉ちゃんと、』

ブランカ『とにかく、』

『でもアッシュには違うところがある。』
















『彼は自分の運命に抗うの。』