無くしたもの

しかし、玉は入っていなかったようだ。

『アッシュ……』

アッシュ『……玉が入ってない。よこせよ。』

すると髪の長い男は腹を立て、アッシュの手を振り払った。

月龍『あんな奴のために、なんで、なんでそんな簡単なんだ!!』

アッシュ『何言ってんだ?死んで見せろと言ったのはお前だろ。』

月龍『っっっ!』

ブランカ『もうよしなさい、こいつは本当に、貴方が何を言ってるか分からないんですよ。』

目の前にブランカが現れ、男の肩を叩く。

私はブランカをキッと睨みつける。

ブランカ『それより取引の話を。と、その前に、君にはこっちに来てもらおうかな?話したいことがある。』

ブランカは私ににこりと笑いかける。

アッシュ『由梨に?』

『……わかった。いいわよ。』

アッシュ『由梨!』

ブランカの元へ行こうとする私の腕をアッシュが掴む。

『……アッシュ 私は大丈夫。アッシュも気をつけてね。またあとで。』

ブランカ『そういうことだアッシュ…その手を離してくれるか?』

アッシュは力なく手を離した。