「わわ、懐かしい本が出てきたな~」

私は、相澤 理奈。今は部屋の大掃除中。

私は高校に進学すると同時に、独り暮らしをすることになった。

お母さんと暮らした家とはさよならをしなきゃいけない。

「お母さんが私に読んでくれた本…こんなとこにあったのか。」

少し休憩と思って、座り込んで本を開く。

大昔のことだから、話の内容はまったく覚えていない。

「昔々、綺麗な顔で美しい王子さまがいました…」

私は静かに読んでみた。

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その王子さまの名前はタイム。

美しくて、大人気の王子さまでしたが、何を与えても喜びませんでした。

大きくなった王子さまに、婚約者ができましたが、王子さまはその姫を、愛すことはありませんでした。

王子に心がないと思った国王と妃は、

王子の心をを取り戻すべく、西洋の歌姫と呼ばれる娘を、王子の前に連れてきました

その娘は、特別美しい訳ではありませんでしたが、優しく、歌が上手でした。

そんな彼女に、王子さまは恋をしてしまったのです。