ろうそくの火を吹き消して、ケーキを切った。
僕はチョコレートケーキが好きだから、ショウ達が作ってくれたのだ。
「ダメアルゴン!」
アルゴンが僕の方へ手を伸ばして、綺麗な瞳で見つめてくる。
腕を伸ばしてやるとキュッと腕に巻き付いてきた。
「大丈夫だよ。アルゴン優しいから」
鋭い爪も、アルゴンはちゃんと刺さらないように気を使うのだ。
すごく重いけど、すぐにアルゴンは僕の胴体に移って膝の上に収まった。
イチゴをあげると、アルゴンは喜んで、それでも面倒そうにモグモグ食べる。
僕には温かいその体温が幸せだった。
「ダメダヨアヤネ、アマヤカシタラ!」
ショウはまた目を三角にする。
お母さんみたいだ。
って、先生が言っていた。


