「アヤネ~!」
ごめんったら、と僕は追いかけてくるショウから逃げる。
アルゴンは驚いて目を覚ましたが、またすぐに眠ってしまった。
「まぁまぁショウさん。それくらいにしましょう。せっかくの夕食が冷めてしまいます」
「モウ!センセイハ分カッテナイ!ココデヒキサガッタラ絶対ダメ!」
ショウは目を三角にして僕を追いかける。
先生はまあまあとショウをなだめているようだった。
先生の声を、僕はスピーカーを通して聞いている。
ノイズがかかっているけど、分かるには分かる。
ただ、マイクに向かってしゃべって貰わないといけないので街では使えない。
一応持っているけど、
使う時がないんだ。
「とにかく、今日は綾嶺君の誕生日ですよ、祝ってあげましょうショウさん!」
ショウは渋々ながら頷いて、それでも僕に笑いかけてくれた。
「タベヨ、アヤネ!」


