僕は飛び乗ったバスの座席に、眼鏡をかけてから座った。
目の前にはモニターがあるから、僕は地図を表示させた。
CGの街をゆっくりと動くバス。
僕は目的の駅を確認すると外に目を移した。
本物の草花は嫌になるほど綺麗で、いや。
醜いものが混ざっていない。
上にも下にも高いビルの影に、暴力的に整った道が伸びる。
野生の哺乳類は13年前に絶滅した。
昆虫はもう少し持った、絶滅は5年前。
魚は…もうすぐだ。
微生物はともかく、あと1、2年。
早ければ6ヵ月。
この世界は何処までも人工的に、醜いものがなくなって。
美しいんだ。


